昨日の前編では「運とは思いこみ」と言う話と「運を良し悪しを決めるのは性格」と言う話をした。
今日は、記事のタイトルにも入れた、フィリピン滞在中にプレイされる方も多いギャンブル(カジノ)の話を含めて、純粋確率のギャンブルにおける運の話。
ギャンブルで波に乗るとは?
ギャンブルをしているとよく、どんどん連勝、連勝して行き、波に乗ると言う言葉を聞く。
だが、確率的に同じなのであれば、みんな同じくらい儲かって、同じくらい損をするはず。
ただ、実際はチップを山ほど積み上げる人とすっからかんになる人がいる。
この違いは何なのか?と言う事が実は解っている。
そして、更にこれを性格に分析する為に、オンラインカジノ(つまり完全に確立でコントロールされている状態)で勝ち負けが起きている理由は何なのか?と言う事を調べた結果、面白い事が解った。
その結果、最初の当たりが出るまでの確率はみんな変わらない。確率なので。
そして、当たった後の行動や大きなハズレをするのも確率だ。
ところが、運が良い人、悪い人の違いは当たった後、あるいは大きなハズレをした直後の行動が全然違った。
つまり、最初の一発目の当たりは確率だ。
しかし、その確率を活かせるかどうか、あるいは損をどの様に制限できるのかと言う事が違ったのだ。
まず、前提として全体的に言って、多くのお金を手元に残す様にコントロールはできる。
当たりハズレは確率だが、どこでお金を賭けるか、どこでお金を引くかの問題だから。
ホットハンド現象の調査
それを実際2014年にロンドン大学がギャンブラーのホットハンド現象に関する調査を行った。
※連勝をしはじめたギャンブラーが、連勝を重ねていく事(日本で言う波に乗っている状態)をホットハンドエフェクト(現象)と言う。
研究者はオンラインカジノで766人の行動を観察し、勝てるギャンブラー(ゲームが終わった時に多くのお金を手元に残せるギャンブラー)と負けるギャンブラー(ゲームが終わった時にすっからかんになってしまうギャンブラー)の行動の違いが解った。
結果から解った事が、損しないギャンブラーの多くが、2回続けて大きく勝った後は、次は負けるのではないかと?と不安になる事が解った。
その結果何を起こすかと言えば、不安のせいで大きな勝ちが2連続した後は賭け方が安全になる。
そうすると何が起きるかと言えば、手元にお金が沢山残りつづけるので勝ちが続いている様な気分になる。
そして、そのままゲームが終わったり、途中で止めると多くのお金が残せる。

つまり、2回連続大勝ちをしたら、そこで賭け金を減らし、なるべく早く止めると言うのが勝つ人たちの特徴だった。
逆に負けた、あるいは負けやすいギャンブラーはどの様な賭け方をするのか?
負けたギャンブラーは焦る。
焦ると何が起きるかと言えば、判断力が落ちて取り戻さなくては焦りが大きくなる。
そして、取り戻さなくてはと焦ると、もっと大きな額を賭ける様になる。。。故に負け、負け越す。
つまり、ギャンブラーの人たちがホットハンド現状で勝ちまくったり、負けまくったりと言う事が起きるのが、何故かと言えば、買った時と言うのは、連続で勝つと「あっこれそろそろ負けるだろうな」と思い賭け金を下げるので、それ以降の損失が少なくなり、全体的に見ると勝ってる様に見える。
そして、負け越しまくって、すっからかんになる人は、負けると取り戻そうとしてもっと賭け、また負けると更にもっと賭けると言う事を繰り返して行くので、お金の額面で言えば、負けが続いている様に見えると言うのが解っている。
その結果ホットハンド現象が起きると言う事だ。
要するに、ギャンブルの確立自体は変わらないのだが、ギャンブラーの心理状態によって賭け金の額が変わるのだ。
その結果、勝ちや負けが自分の選択により拡大してしまう。
なので、買った時は確実に利確するか、賭け金を極力少なくして次を待つ、逆に負けた時は損切りをきちんとできるかと言う事がとても重要になる。
セレンディピティ
最後にセレンディピティと言う考え方のお話。
運の要素には幾つかの要素があるのだが、「気づき」と言うのも一つの運だ。
例えば、新しいチャンスなど、他の人がやらなかったり、気付かなかった事を見つける事を“セレンディピティー”と言う。
このセレンディピティの能力を高める質の要素が解っている。

これは2012年シティ大学ロンドンの研究チームが、クリエイティブな仕事をしている人々にインタビュー調査を行って、「セレンディピティ」が生まれるまでのプロセスと言う物をまとめた。
つまり、いいアイデアを思いつくまでのプロセスを研究したのだ。
その結果、セレンディピティに必要な3つの要素が解った。
- 新しい環境や情報に目を向ける注意力
- 2つ以上の情報を新たなに繋げる洞察力
- 見つけて繋いだ新たな情報を実行に移す行動力
この3つがセレンディピティには大事だと言う事が解った。
要するに、新しい物を見つける注意力と、その見つけた新しい物を組み合わせて、更に新しい可能性に気付く洞察力、そしてその気付いた事を直ぐに行動に移す行動力が重要あだと言う事だ。
そして、この大学のセレンディピティに関する研究で最も面白いのが、2014年に行われた研究だ。
過去20年の幸運研究をレビューした上で、セレンディピティ戦略と言う、幸運を高める為の手法をレビューで提唱している。
それには5つの戦略がある。
- 情報の多様化(今まで自分が見てこなかった物や興味がなかった物に目を向ける)
- 観察者視点(目の前の事に集中はするが、一歩引いた所から情報を観察する癖)
- メンタルスペースを作る(自分が余裕を持てたり、のんびりできる空間を持つ)
- 境界線を緩める(仕事とプライベート、仕事の専門、専門外などカテゴリーの違う物に壁を作るのを止め、境界線を緩める)
- 過去の体験を引き出す(アイデアや気づきは何かと何かが繋がった瞬間に生まれるので、目の前に起こっている事や自分の過去の事、人から聞いた事を繋ぎ合わせる)
セレンディピティと言う考え方は新たな幸運を見つける上で有効かと思うので、覚えていて貰えればと思います。
全ての話をまとめると、幸運と言うのは、結構思い込みなのである。
この思い込みを良い方向に活かす為に、あまり、あれも欲しい、これも欲しいとならず柔軟に、だが行動力は高めて行くと幸運が掴みやすくなるのではないかなと思うので、ぜひ何かひとつからでも試してみて下さい。
本日も貴重なお時間をCRAZYLIFEに使っていただき、ありがとうございました。
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